五年三組とわたしのあいさつ運動
焼津市立黒石小学校 5年 中野 十維

 かがやく笑顔、校内にひびく明るい声。黒石小学校自まんのあいさつ運動。いつもは相手にあいさつを返すだけだったが、今日はひと味ちがう。黒石っ子のみんなに自分からあいさつをするのだ。最初は、はずかしかったが、進んであいさつをするために努力して、五年三組のあいさつ運動は大成功だった。
 私が一番努力したことは、大きな声を出すことだった。家族や仲の良い友達には、はずかしがらずに大きな声で話せるが、このわたしが初めから知らない人に大きな声で話せるはずがない。だから、少しずつ知らない人に大きな声であいさつしようと努力した。すると、できた時に達成感があってうれしくなり、だんだん大きな声ではっきりと言えるようになった。けれども、それで完ぺきではなくて、目を合わせることもわたしの中の課題の一つだった。目を合わせることは、心のこもったあいさつをよく伝えるために必要だった。それも、まだ知らない人だと気まずいし、少しこわい気がした。あまりしたくなかったけれど、がんばって目を合わせてみると、思っていたのとちがって、登校してくるみんなが、笑っていたのでよかった。
 本番の朝、学校に行くと中に今日があいさつ運動だと気づいた。心の準備ができていなくて、口から心ぞうが飛び出そうだった。あんなに練習したけれど、本番になると、なぜか自信がなくなって大変だった。そして、そのドキドキの時間を乗りこえてあいさつする場所へと向かった。
 わたしたちのはんの場所は、下級生がよく通る階だんのおどり場だった。自信と勇気がなかったわたしに、遠くから、
「おはようございます。」
という下級生の大きな声が聞こえて、元気をもらえた。下級生に負けてはいられないと思い、わたしも大きなはっきりとした声であいさつを返した。すると、あいさつを返してくれる人がだんだん増えて、うれしくなってきた。
 そうして、五年三組とわたしのあいさつ運動は大成功だった。わたしたちのクラスでは、あいさつを呼びかけるポスターやかん板作りにも熱心だった。それぞれのはんで相談して、絵や言葉を決めた。わたしのはんは、女の子があいさつされたのに、返さずに通り過ぎたというポスターを作った。ポスターには、「そのまま通り過ぎちゃっていいの?」という言葉を入れた。昔のわたしに問いかけているようだった。次の二まい目のポスターには、今まで通り過ぎていた女の子が自分からあいさつできるようになったすがたを表そうと考えている。たまに、あいさつを返してくれない人がいると悲しくなり、おこりそうになる。よく考えると、わたしもすぐ前までそうだった。だから、そんな人たちにもみんなを笑顔にできるあいさつのよさを伝えたいと思う。
 あいさつ運動をして、わたし自身が、あいさつを返してくれたみんなから、自信や勇気をもらうことができた。学校のみんながみんなを笑顔にできるあいさつをしていければいいなと思う。わたしも心のこもったあいさつをして、次に上級生になる下級生へとあいさつの大切さを伝えていこうと心に決めた。

いつもは返すだけのあいさつが、五年三組のあいさつ運動を通して変化していったことが伝わってきました。あいさつをすることで自信や勇気をもらえる、みんなを笑顔にできるということを改めて感じることができましたね。これからもあいさつの大切さをみんなに伝えてください。