休校を経験して
焼津市立豊田小学校 5年 澤田 珠希

 『変』これは私が休校中を漢字一文字で表した字です。
 新型コロナの流行で、二月末から学校がとつ然休校になりました。自由に出かけることも友達と会うこともできず、つらかったです。特に、四月に「やっと学校に行ける、友達に会える」とわくわくして登校したのに、たった二日行っただけで休校がえん長になった時はつらかったです。「このまま学校がずっと休みになったら」とか、「友達ともずっと会えないのかな」と、とても不安でいっぱいでした。また、家での勉強も習ってない内容を自力でやるのはとても大変で、いやになったこともありました。がまんばかりの生活に、「もうやってられない」と泣いたこともありました。
 四月からの休校前半は、「早く元の生活にもどりたい」「全部コロナが悪い」などとよく怒ったり泣いたりしていました。そんな時、両親が気持ちを聞いてくれて、
「いやな事をいやと言うこともとても大事だけれど、楽しいことを探して明るい気持ちになろうよ。」
と言われました。なかなか素直になれない時もあったけれど、私は毎日の生活の中で楽しい事を見つけるようにしました。お母さんに料理を教えてもらったり、いっしょにバドミントンをしたり、お父さんに教えてもらってしょうぎも覚えました。家族との時間が増えて、今まではできなかったことをいっぱいしました。すると考え方も「明日も友達に会えない」という後ろ向きな考えから、「明日は友達に手紙を書いてみよう」という前向きな考えに変わっていきました。「明日はお菓子を作ってみよう」「家族でウォーキングをしよう」とか、毎日楽しいことを考えることで、つらいと思っていた休校も後半はだんだん楽しくなりました。楽しくなったらいろいろなことに挑戦しようとする気持ちも出てきて、苦手だったマラソンや算数の勉強もあきらめずに挑戦できました。
 私はこの経験を通して、つらい事も自分の考え方次第で変えられるということが分かりました。休校中を表す漢字を『変』にしたのは、自分が後ろ向きから前向きに変わったからです。
 やっと学校が再開した日はあわただしかったけれど、友達や先生と久しぶりに会えて話したうれしさはずっと忘れないと思います。授業が始まって友達の意見を聞いていたら、「やっぱり、みんなで勉強できるっていいな。」と感じました。今まで当たり前だった勉強したり友達と遊んだりできる毎日がまた送れて、改めて学校っていいなと思います。
 学校が再開してからは、一生懸命勉強も係や委員会の仕事もがんばったし、新しいクラスの友達と楽しく過ごしました。家では休校中に覚えたお料理を作る手伝いもしています。休校前と比べて積極的になりました。だから夏休み前を漢字一文字で表す時には、『成』を選びました。休校中の事を生かしてさらに成長できたと思ったからです。まだ新型コロナが収束しなくて大変なこともあるけれど、毎日を大切にして前向きにがんばりたいです。冬休み前に振り返ったとき、どんな漢字が思い浮かぶか楽しみです。

誰もがつらい思いをしている新型コロナウイルスの流行ですが、不満ばかりの自分から、見方を変えればできることがたくさんあることに気付きました。珠希さんの前向きな考え方の良さに加え、改めて友達と過ごすことができる学校の良さを感じることができました。