母に教えてもらった生き方
島田市立五和小学校 6年 奥尾 心

 ぼくは、母が教えてくれたことによって、生き方を大きく変えることができました。それがあったのは、ぼくが五和小学校に転校してくる前の学校にいたときのことでした。
 ぼくは人見知りで、初めて会う人に話しかけるのにとても勇気がいります。入学したばかりのときは、なかなか友達に声をかけられず、一人でいることも多くありました。家に帰って母にそのことを話すと、母はいつも、
「大丈夫だよ。そういうときは元気いっぱいに話しかけてごらん。」
と声をかけてくれました。初めは、「それが難しいのに」と思っていました。でも、楽しそうに過ごす友達を見て、「ぼくも、楽しく友達と話したい」と思うようになり、母がくれた言葉を心がけるようにしました。すると、一人、また一人と友達が増え、毎日がとても楽しくなりました。初めは話しかけるのにどきどきしていたぼくが、「友達といるのって楽しい」と思えるようになっていきました。
 しかし、二年生になったとき、友達の言葉に傷つくようなことがありました。言葉がきつく、なんだか悪口を言われているような気持ちになり、「学校に行くの、嫌だな」と思うような日もありました。でもある日、母が、
「最近どうしたの。今、学校で嫌なことでもあるの。」
と、聞いてくれました。そこでぼくは、そのときの状況を話しました。すると母は、先生にそのことを伝えてくれて、友達の言葉に傷つくこともなくなりました。また学校が楽しくなって、母にとても感謝しました。
「助けてくれてありがとう。」
そう母に伝えると、
「ううん。いいんだよ。」
と言ってくれました。
「でもね…。」
母は続けてこう言ってくれました。
「あなたは、本当は強い子だからね。本当に困ったら私に言えばいいよ。でも、勇気を出して、嫌なことにはしっかり『嫌だからやめて』って伝えられるはずだよ。」
と言ってくれました。これまで、「仲良くなるための勇気」の大切さは感じていました。でもこの言葉を言われたとき、ぼくの生き方が変わった気がしました。
 これまで、「嫌だ」ということを伝えることは、良くないことだと感じていたのかもしれません。でも、少し言いづらいことでも、自分やみんなが楽しい場所を作っていくためには、しっかり言わなければならないのだと思いました。歩み寄る勇気だけでなく、「気持ち良く過ごせる場所を自分で作る」ことが大切なのだと、母の言葉に教えてもらいました。
 これからも、もっとたくさんの人に出会い、たくさんの自分の「居場所」ができると思います。たくさんの人と生活するのだから、色々なことがあると思います。嫌な思いもするかもしれません。でも、
「勇気を出して伝えられるはずだよ。」
という母の言葉を思い出して、みんなが楽しい場所に、自分の力で変えていきたいと思います。この生き方を教えてくれた母に感謝して、これからも「自分から楽しめる」ようにしていきたいと思います。

心さんとお母さんとの愛情あふれる光景が目に浮かんできます。心さんの存在がお母さんの、お母さんの存在が心さんの「居場所」になっていますね。これからもお母さんの言葉や教えてくださった生き方を胸に秘め、心さん自身と周りの人たちに「楽しめる居場所」をたくさん作ってくださいね。