心のバリアフリー
浜松市立船越小学校 5年 加藤 来都

 ぼくは、夏休みに視覚障害者のスポーツのブラインドサッカーの体験に参加しました。そこでは、弱視や全盲の人たちが音の鳴るボールを使ってサッカーをしていました。ぼくもアイマスクをしていっしょにプレーさせてもらいました。何も見えないのでボールをけったりパスをしたりすることがすごくむずかしかったです。ボールの音とガイドの声と仲間との声かけだけをたよりにゴールを目指してドリブルやパスをつなぎます。相手にぶつかってしまったりボールに乗ってしまうこともあるのできょうふ心もあります。目の見えない人たちは、いつもこのような何も見えないじょうきょうでどのように生活しているのか気になりました。そこで視覚障害者のための支えんし設「ウィズ蜆塚」へ行ってし設長や視覚障害者の方からお話を聞かせてもらいました。日本には約三十万人の視覚障害者がいます。そのほとんどの人が人生のと中から見えなくなったので点字が読める人は一割くらいしかいません。ぼくが思っていた以上に不便なことがたくさんあることを知りました。そして五感についても教えてもらいました。見えない代わりに聴覚、嗅覚、味覚、触覚を使い感じ取ります。ウィズでは触ると上下が分かったり音声で重さを知らせたりして様々な工夫がされていました。それでも不便なことやできないことがあるそうです。そのときは、目が見える人たちがサポートして目が見えない人たちのできることをふやしていきます。そして、何にこまっているかをぼくたちが気づいていくことが大切です。それは、障害者だけでなく友達や周りの人たちへの思いやりの気持ちと同じです。障害のある、なしは、関係ありません。「ウィズ」という名前はみんなでいっしょにという意味だそうです。若い人たちやお年寄り、障害を持つ人や持たない人、いろいろな国の人たちみんながいっしょに手を取り合ってくらしていく社会を目標にしています。ぼくもブラインドサッカーをやってみて障害のあるなし関係なく声をかけ合いボールを運び同じプレーヤーとしてサッカーを楽しむことができました。でも初めはなかなか話しかけることができませんでした。なぜなら大人だったし目が見えない人とのコミュニケーションの取りかたがわからなかったからです。ですがブラインドサッカーは声をかけ合い仲間を信頼しないとパスは通らないしゴールを決めることもできません。いっしょに練習していくうちに自然とコミュニケーションが取れるようになりました。ぼくがボールを取りやすいようにやさしくけってくれていることも伝わりました。このようにブラインドサッカーは障害があってもなくても有利不利なくおたがいが思いやりを持つことが大切だということを教えてくれます。
 ウィズのし設長は、「見えないことや聞こえないことは障害ではない。見えないからできないことやむずかしいことが障害である。だからできないことをなくすことをぼくたちが考えることが大事だ」と教えてくれました。この体験から、心のバリアフリーとは思いやる気持ち、気づける力だと感じました。ぼくは、これからこまっている人を見かけたら勇気を持って声かけしていきます。そして障害を持つ人がいろいろなことにちょう戦できるようにお手伝いをしていきたいです。

夏休みに参加したブラインドサッカーや視覚障害者施設での体験から、障害のある人の目線に立って考えることができた来都さんは立派です。だれにでもできないことはあります。相手が困りそうなことを予想する心を持つことが「心のバリアフリー」だと気付くことができた来都さんに感心しました。