食品ロスを知って
浜松市立豊岡小学校 5年 野沢 明生

 ぼくは、給食が大好きです。いろいろなメニューがありますが残したことがありません。給食室に返す容器にご飯やおかずが残っているともったいないなと思ってしまいます。給食を作ってくれるおばさんが足りなくない様に多く入れてくれていると思いますが、やっぱり残すともったいないと思うので、人気の少ないおかずでも、がんばっておかわりしています。
 ぼくは、人と比べると、よく食べる方だと思っていて、家族と一緒にお店に食べに行っても大盛り等のメニューをたのんでいます。ぼくがある中華料理屋さんに初めて行った時、
「食べたい物をたのんでいい。」
と言われたので、ラーメン以外にからあげなど、いくつか注文したら、考えていたものより、二倍以上の料理が運ばれてきました。運ばれてきた料理を見てぼくは、食べきることができるのか、心配になってきましたが、家族みんなでなんとか食べきることができました。それからは知らないお店では注意して注文する様になりました。
 ぼくが料理を大切に食べるのは目の前に出てくるまでに、いろいろな人が手をかけてくれていることを知っているからです。おじいちゃんが夏の暑い時も草をとったり、肥料をまくなど畑の手入れをしたり、田んぼの見回りをしてやっとしゅうかくできる様になります。それを母がおいしく料理してくれると、少しもムダにしたくないと思います。お店で売っている料理や野菜、肉や魚なども、同じ様に、必ず、手をかけて育てたり、漁に行ったりする人、それを運ぶ人、おいしく料理してくれる人など、いろいろな人が関わっています。だから絶対に粗末にはできないと思います。
 ところが調べて見ると日本では一年間に六百四十三万トンもの食品が食べられるのに捨てられているそうです。これは日本国民一人あたり、お茶わん一杯分のご飯を毎日捨てていることになります。この内、約二百九十トンは家庭から食べ残し、皮のむきすぎなどの理由で捨てられ、残りの約三百五十万トンは、企業やお店などから返品、売れ残り、などの理由で捨てられていきます。ぼくの家では賞味期限に近い物から使う様にしていて、買う時にも期限内に食べきれる量しか買いません。賞味期限の長い缶詰めも毎年、九月の最初に期限切れになりそうな物がないか、チェックしています。だから買ったり、もらったりした食べ物をそのまま食べられなくした事は絶対にありません。食べ残しについては、ぼくが苦手なピーマンなどを、家では家族が食べてくれるので、あまり気にしていませんでしたが、フードコートなどで他人がほとんど残した状態で食器返却口に返しているのを見ると、もったいないなと思います。たのんだメニューがおいしくない場合もあると思いますが自分が注文したのだから、自分で責任をもって食べてほしいです。
「お金を払っているのだから、自分の好きな様にしても良いんだ」
という考えもまちがってはいないと思いますが、ムダにすることが良いこととは思えません。企業やお店屋さんでも、賞味期限で捨ててしまうのなら値段を下げて売ってしまえば捨てる分がへるのにと思います。食べ物は、カビの様に勝手にできるわけではなく、魚、鳥、牛や豚の命をもらって自分の前にならぶんだと思っているので、今後もぼくは、母が作ってくれる料理やおばちゃんたちが作ってくれる給食を残さず食べようと思います。

「食」の大切さを日頃から感じて生活していることがよく伝わってきます。おじいちゃんが畑仕事をする姿から、一つの料理が完成するまでには、多くの人の苦労があることに気づいています。そこから食品ロスについて疑問を抱きいろいろ調べ、命の尊さにまで思いを馳(は)せているところが素晴らしいです。