ポジティブ思考
磐田市立磐田南小学校 6年 村山 琉英
「もうだめかな。」
これは、ラグビーの練習が中止になったというメールを見たときの、ぼくの心の声だ。
ぼくは、幼稚園の年長からラグビーチーム「静岡ブルーレヴズ」に所属し、毎週土曜日に練習している。中学生になったら全国大会への切符(きっぷ)を手に入れることを目標にして、がんばってきた。それなのに、新型コロナウイルスの影響で、練習は全て中止。あせった。くやしかった。悲しかった。
そんなある日、特に目的はなかったが図書館に出かけた。そして、そこで一冊の本に出会った。その本のタイトルは、「ピンチをチャンスに」と書いてあった。まさに、今のぼくにぴったりの本だ。
早速借りて帰って読んでみた。読み進めていくと、「ポジティブ」や「勇気を信じる」など、前向きな言葉がたくさん書いてあった。
中でも一番ぼくの心に残ったのは、「ポジティブ思考」という言葉だ。ぼくは、「ポジティブ」という言葉は聞いたことがあった。しかし、「ポジティブ思考」という言葉は初めて聞いた。インターネットで調べてみると、「前向きなことを考えたり、悪いことではなく良いことを考えたりすること。」と書かれていた。
また、別の記事には、「ポジティブ思考は大切。ポジティブ思考の人は未来が明るい。」などと書かれていた。良いことばかりだ。
ぼくは、この本に出会った日から、いろいろなことをポジティブにとらえるようになった。例えば、「雨だから外で運動ができない。」ではなく、「雨だから室内でたくさん勉強ができる。」とか、「下校時刻がおそくなって残念。」ではなく、「下校時刻がおそいから、友達とたくさん話せる。」などだ。
同じように、ラグビーの練習ができないことも、前向きな考えにすることができないだろうかと考えた。なかなか良い考えが浮かばなかったけれど、やっとのことで思いついた。それは、「休みだから、他のライバルに差をつけることができる。」という考え方だ。そのことに気がついてからは、毎日自主トレーニングをするようになった。
ます、ぼくはボールをしっかり持つことが苦手なので、そこをきたえるために、いろいろなボールでお手玉をした。さらに、強いボールを父に投げてもらい、それを落とさずにキャッチする練習をした。すると、ボールをしっかりつかめるようになり、強いボールにも自信をもって対応できるようになった。少しのことを変えるだけで、人ってこんなに変わるんだ、と自分でもびっくりした。
このことを通してぼくが特に思ったのは、気持ちをどう変えるか、どう気持ちを立て直すかが大切だということだ。こう考えると、生活の中でも、きん張がうすれたり、やる気が高まったりして、いろいろな良いことにつながっていくと感じた。
さらに、この考え方は、自分の将来の姿や夢の実現にも関わるのではないかと思った。ポジティブ思考には、デメリットがない。反対にメリットはたくさんある。だから、みんなにもポジティブ思考を試してみてもらいたい。考え方を少し変えるだけで、未来が明るくなるかもしれないからだ。ぼく自身も、このポジティブ思考を忘れずに生活していきたい。
評
コロナの影響でラグビーの練習が中止となった悲しみが、自分自身の成長の実感という大きな喜びになったことがよく伝わってきました。実体験の中で思いが変容していく様子もよく書かれています。この主張文を読んだ人にも村山さんの思いが届き、未来が明るくなることを願っています。