第2107号2021年10月10日
妊娠・出産・育児に係る休暇制度について 〜2021年度女性部実態調査から〜

女性に限らず、就学前の子どもがいる教職員を対象に、出産・育児に関する休暇制度について実態調査を行いました。(期間2021年6月 〜8月)今回はその回答から一部紹介します。

男性も育児休業をしています!

育児休業 (2020年度 男性取得者 県域13名、静清4名、浜松4名)

今回の実態調査から男性で育児休業をする方が増えていることが分かりました。「育児経験は日々の教育実践に役立つ」という一面もあります。積極的に育児参画しましょう。

2021年8月に人事院から「育児休業の取得回数制限を緩和することが適当」という意見の申し出がありました。

今後、職員が同一の子について育児休業をすることができる回数が、2回まで拡大されることが予想されます(現行は1回)。夫婦で1年交代で育児休業するなど、分担して子育てを行いやすくなることが期待されます。

ー2020年度に育児休業した方の様子ー

Aさん(中学校勤務)

【期間】1年間

【育児休業にあたって】

休業する前年度当初から校長に相談し、育児休業の希望を伝えた。権利であるとはいえ、担当している生徒への影響が極力ないように早い段階で相談し、1年間休業することにした。校長は、丁寧に話を聞き、希望が叶うよう協力してくれた。

Aさんの声

妻が育児休業から復帰し、私が育児休暇となりました。妻は、育児への不安を感じることなく仕事にとりくむことができました。

Bさん(小学校勤務)

【期間】6〜8月の約3か月間

【育児休業にあたって】

短期間であるにもかかわらず、代替教員がついた。分会等で相談しながらどうしたら育児休業できるか考えた。

休業中の分掌業務は、校内で分担してもらえた。

Bさんの声

約3ヶ月間一緒にいたことで、子どもと24時間一緒にいることの大変さに気付くことができました。

子育てのために勤務時間を短縮できる制度がありますが、十分に活用されていません!

育児のための短時間勤務制度(2020年度取得者 県域8人、静清1人、浜松0人)

対象: 小学校就学の始期に達するまでの子をもつ教職員
申請: 年度開始の1か月前まで(代替教職員を探すため、早めの相談が必要)
その他: 養育する時間が夫婦で重ならなければ、夫婦で同時に取得が可能
勤務形態は次の4つから選ぶ(期間は1か月以上1年以下)
@月〜金 3時間55分ずつ
A月〜金 4時間55分ずつ
B勤務日が3日
C勤務日が2日+1日(3時間55分勤務)
Cさん、Dさん(同じ小学校勤務)

【勤務形態】 Cさんは@、DさんはA

【取得にあたって】

  • 同じ職場に育短を希望する教職員が2人おり、校長から交代で勤務する形式の提案があった。
  • 二人で一人分の勤務時間となるため、別に代替教職員一人がフルタイムで勤務している。

育児のための短時間勤務を希望する方が多くいますが、代替教職員の勤務時間に制限があるため対象者が見つからず、制度の活用を断念している方がいます。代替教職員とのマッチングが大きな課題です。

部分休業 (2020年度取得者 県域14人、静清5人、浜松16人)

対象: 小学校就学の始期に達するまでの子をもつ教職員
その他: 男女ともに取得可能(1日2時間を超えない範囲で30分を単位に取得)
部分休業に対する代替(人的配置)はない
Fさん(中学校勤務)

【勤務形態】 毎朝30分ずつ

【取得にあたって】

  • 級外の教職員に朝のホームルームを依頼。同じ教員が行くようになっている。
  • 分会内で家庭の状況等を説明し、理解を得た。

業務負担が減るわけではありませんが、子どもを送りだすことができ助かっています。

代替教職員を探す必要がないため活用しやすい制度ですが、制度の周知が十分でないこともあり、あまり活用されていません。また、管理職の理解が得られず活用できなかったという声もあります。人的配置を拡充させるなど制度を活用しやすい環境づくりが必要です。

不妊治療休暇についての要望が高まっています!

<基本的な不妊治療の流れと休暇の対象>
※県域では、不妊治療が私傷病休暇(特休)で対応できます。

不妊治療は、何度も休暇を取る必要があることから、治療に専念できるよう長期の不妊治療休暇制度を求めていきます。また、静岡市や浜松市においては、私傷病休暇での対応が十分でないため、不妊治療に関する休暇制度が充実するよう要請していきます。