第2094号2020年3月25日
人と人とのつながりこそが困難を乗り越える大きな力 第220回静教組中央委員会開催

3月5日(金)、静岡県教育会館において第220回静教組中央委員会が開催され、14単組・支部から47人が中央委員として出席しました。今年度は、新型コロナウイルス感染症への対応措置として、専従役員を中心とする会場参加と各教育会館からのオンライン参加というハイブリッド型による開催となりました。

議事においては、2020年度静教組運動総括に関する提案、2020年度一般会計や2021年度暫定予算案等に関する質疑・討論が行われ、すべて執行部提案の通り承認されました。

赤池浩章中央執行委員長 あいさつ(要旨)

赤池浩章
中央執行委員長

昨年2月末に安倍前首相から突然発せられた全国一斉休校要請により、学校現場は大混乱に陥りました。卒業式や入学式をはじめ多くの学校行事が変更を余儀なくされ、学年の切り替わりという大きな節目を刻むことができなかったことについて、私は様々な場で懸念を伝えてきました。学校再開後は、運動会や修学旅行の見直し、授業時数確保のためのカリキュラム変更、さらに感染防止対策としての消毒作業など、教育委員会等の対応に疑問を抱きながらも「やるしかない」という思いで過ごしてきた1年だったと思います。本当にお疲れ様でした。収束にはまだ時間を要するため、次年度も引き続きご苦労をお掛けしますが、共に乗り切っていきたいと思います。

この1年、静教組運動もコロナウイルスの感染拡大により県教研、県母女の中止をはじめ多くの活動が中止・変更を余儀なくされました。まずは感染防止対策を講じながらの教育活動の継続という課題への対応を優先し、各単組・支部を通して学校現場の状況等を把握し、教育委員会・校長会等との交渉・協議に生かしました。また、アルバイトができず経済的な理由で退学する大学生等の学びを止めないため、日教組と連携したカンパ活動にとりくみ、約700万円をあしなが育英会へ寄付することができました。組合員の皆様の活動へのご理解とご協力に改めて感謝申し上げます。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大は、感染者や濃厚接触者、さらにクラスター関連の事業所や医療従事者等に対する誹謗中傷という人権侵害も引き起こしています。政府はSNSに関する法制度の見直し等をすすめていますが、抜本的な解決に至らないことは明らかです。私たち教職員は、子どもたちに対して、人権が大切にされる社会をつくる力を育むことが必要であると考えます。

東日本大震災からまもなく10年が経とうとしています。原発事故により避難指示区域に指定され、2017年に解除された福島県富岡町では、震災前に約16,000人だった人口が、現在も1,576人までしか回復していないそうです。子どもたちも震災前は約1,500人いたそうですが、現在、小学生27人、中学生15人とのことです。ここ数年、台風等による自然災害が続発し、政府も「復興五輪」というキャッチフレーズを掲げる中で、人々から震災が遠去かろうとしている感がありますが、震災は決して過去の出来事ではなく、富岡町のように今そこにある現実です。私たちが直接できることは限られていますが、震災を「忘れないこと」「教訓とすること」そして「次への備えをしっかりすること」が犠牲者に対する弔いであり、残された者の使命であると考えます。

最後に政治参画について述べたいと思います。およそ3週間後の3月28日、静岡市議会議員選挙が施行されます。2017年4月に教職員の定数・給与等に関する権限が政令市に移譲され、静岡市、浜松市においては県と同様の教育行政が行われています。県においては、佐野愛子県議、沢田智文県議が、学校、子ども、教職員の立場に立った政策を実現するために、静教組との連携を密にしながらご尽力いただいています。静岡市においては、水野市議がこれまで静清教組と連携して活動してきましたが、バトンを小山悟さんに渡すこととなりました。水野市議の長年のご尽力に敬意を表するとともに、その議席を守ることが感謝の思いを形にすることであると思います。静教組総体の政治参画のとりくみであるとの思いを皆様と共有し、小山悟さんの当選を勝ち取りたいと思います。