第2075号2020年6月10日
教育研究所所長 就任挨拶「発想と創造力」

就任の挨拶「発想と創造力」

静教祖立教育研究所所長
内田いず美

ここに1枚の白い紙があります。貴方はどうしますか?

私は、美術の教員でした。これは、最初の授業で子どもたちに投げかけた言葉です。

紙だから絵を描く。紙を材料として何かを創る。紙は、とても不思議な素材です。火をつけると燃えます。でも、提灯に使われます。水の影響で、伸びたり、縮んだり、破れたり、でも、加工をすれば、和傘や牛乳パックになり、水に負けません。2つに折ると立ち、丸めると筒になります。折り重ねていくと強くなります。最近では、洋服や下着等、様々な物にも使われています。

このように、1つの物でも見方や考え方によって広がっていきます。こうするのが当たり前、はありません。求められるものは、発想と創造力です。

3月の学校は、2月末の休校要請以降毎日、今日はそして明日はどうなるだろう、子どもたちは、年度末の一番重要な時をどう過ごすことができるのか、安全は大丈夫だろうか、心配は山積みでした。

学校の教育活動が出来ることが、学校に子どもたちの元気な声が響くのが、当たり前のように過ごしていた日々が、当たり前ではなく、とても大きなことだったことを強く感じました。

最初の話に戻ります。だからこそ、そんな時何ができるのか、何をしなければいけないか。今までとは、違う見方や考え方、そして発想と創造力が大切になりました。

退職を迎え、学校からは離れましたが、教育研究所の所長として、発想と創造力を大切にし、教職員の皆様と子どもたちの教育の発展・充実に生かすことができる研究所の活動に精一杯とりくんでまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。