第2058号2019年8月10日
専門部NOW 養護教員部編

Q1:「養護教員部」ってどんな活動をしているの?

A:次の4つを柱に活動しています。

●子どもの人権を大切にした学校保健・健康教育の確立

養護教員部実態調査等を活用し、課題解決に向けたとりくみにつなげています。県や市町教委に対し、集団フッ素洗口・フッ素塗布、ゆとりある保健室運営のためのサポートなどについて改善を求めています。

●組織拡大・強化

専門職であると同時に少人数職種でもある養護教員は、職務について教わったり相談したりできる仲間づくりが大切です。組織率の高さは、要請・交渉の際にも「多くの養護教員の声」として説得力をもちます。経験の浅い養護教員にとって先輩教員とのつながりは力量向上にもつながります。組織拡大・強化は、とりくみの基盤となります。

●職務・労働条件の改善

県教委要請行動(9月・10月)や養護教員部独自の要請行動(12月)で、県教委や県健康福祉部に対し職務・労働条件の改善とフッ化物の集団使用に関する課題の改善を求めています。市町においても、各地域の課題改善に向け、単組・支部の養護教員部長を中心に活動しています。

●専門職としての力量向上

毎年、県下各地の養護教員が集まり、各単組・支部の執行委員長、支部長を交え「静教組養護教員部研究集会」を開催し意見交流をしています。2019年度は9月6日に実施します。さらに、子どもと健康研究フォーラム(8月)等の全国規模の研究集会に積極的に参加し、力量向上に努めています。

Q2:どんな課題を抱えているの?

A:養護教員の全校配置・複数配置、学校保健安全法改正に伴う健康診断の実施、学校における集団フッ素洗口・フッ素塗布、食物アレルギー疾患への対応を始め、多岐にわたる課題が山積しています。

※全校配置・複数配置について、
  • 3学級以上の小中学校に養護教員1人の配置
  • 養護教員の複数配置基準 小学校851人以上 中学校801人以上

複数配置に満たない600人、700人の学校では養護教員は1人配置であり、対応に限界があります。養護教員の果たす役割の重要性から市町単独措置で養護教諭補助員・保健室サポート員を配置し、子どもたちへの対応の充実に繋がっているところがあります。

静教組は、養護教員を全校に配置するとともに、複数配置を適正実施することを県・政令市教委に求めています。また、複数配置基準の引下げ、配置基準を満たさない大規模校への養護教員の加配を検討するよう求めています。(浜松市においては、8校に加配措置されました。)2019年度は、スクールサポートスタッフによる業務支援が養護教員にも拡充されるよう求めていきます。

養護教員は、すべての子どもたちの命や健康に関わり、子どもたちの安全で安定した学校生活を支えています。近年、学校生活や多様な家庭環境などから心に問題を抱えた子どもたちが居場所を求めて保健室を訪れることが増えています。このことは養護教員だけの課題ではありません。学校全体の課題として、すべての教職員で理解を深め、協力してとりくみをすすめることが大切です。