第2051号2019年4月25日
静教組立教育研究所 所長あいさつ 「3つ」

静教組立教育研究所所長
大石茂生

所長を仰せつかり5年目を迎えました。今年度も、教育研究所をよろしくお願いします。

4、5年前でしょうか。健康講座である方のお話を聞く機会をいただきました。冒頭、質問が出ました。「60歳を過ぎると、増えるものがあります。さて何でしょうか。ヒントは、言葉の頭に「し」が付きます」。隣の人と相談したり、目を閉じながら考えたりと様々でした。講師の方が、「正解は、シミとしわと診察券」と発表しました。みなさん、お互いの顔を見合わせながら大笑いの一幕でした。

1980年代、日教組は運動スタンスを、反対、抵抗、粉砕から、「参加、提言、改革」と大きく舵をとりました。文部省(当時)との敵対関係を改善し、日本の子どもたちの教育のためにという日教組の内部からの変革だったと聞いています。

1980年代、静教組は、学校5日制の実現に向け運動をすすめていました。その中の一つに学校改革3目標というものがありました。「厳しすぎる校則、過熱した部活動、教職員の長時間勤務の見直し」が3目標でした。

学校現場では、2000年ごろから、過密状態の教育課程、先生方の多忙等について見直しが図られました。研修会の際、「やめる、変える、減らす」という文言をよく聞きました。

私事で恐縮ですが、教職最後の学校で、教職員と生徒を育てる方針として、「笑顔、活力、品性」を掲げ学校経営にとりくみました。

冒頭ご紹介しました健康講座の最後に、講師の方が、「60歳を過ぎると、減るものがあります。頭に「か」が付きます」と切り出しました。これまた、みなさん考えました。答えは、「関心、感動、感謝」でした。60歳をすぎてもこの3つは、大事にしたいものですという助言でした。

現役のころ、先輩の校長さんからご指導を受けました。「大石さん、『目は高く、心は広く、頭は低く』を忘れるな」というものでした。今思うに、「関心、感動、感謝」と「目は高く、心は広く、頭は低く」は、何か共通するものがあるなと感じます。

教育研究所は、「関心」と「目は高く」をもって学ぶことを大切に、心掛けたいと思います。