第2036号2018年9月10日
国境を越えて教育を語らう 第21回オーストラリア教育体験視察と交流の旅

学校訪問・教育交流・ホームステイを通して、子どもや教職員の実態を見聞きしたり、教育システムや教育内容等を学んだりしながら視野を広げ、自身が豊かな体験を得ることで教職員としての力量を高めることを目的に、第21回オーストラリア教育体験視察と交流の旅が実施されました。今回は、静教組 赤池 浩章書記長を団長に18人が参加し、現地ではオーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流が行われました。

=ホームステイ=

AEUの教職員のお宅にホームステイをしました。メルボルンからベンディゴまで車で約2時間、到着するまでは不安そうだった団員も、ホストファミリーに温かく迎えられ、各家庭で2泊3日を過ごしました。別れ際には、談笑しあったり、抱き合って別れを惜しんだりする光景が数日間の貴重な交流の様子を物語っていました。言葉ではなく、相手のことを理解しようとする心や積極的に関わり合おうという気持ちの大切さを実感することができました。

=学校訪問=

ホストファミリーの勤務校を中心に訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクールや中学・高校にあたるセカンダリースクール、特別支援学校などに分かれ、授業や学校の施設を見学したり、子どもたちとの交流を行ったりしました。

教職員も子どもたちもゆったりとした雰囲気で、学習にとりくむ姿が見られました。子どもの感性や思いを大切にしながら、一人一人のニーズに応え、将来の自立につながる教育課程や授業のあり方を見て取ることができました。

=教育交流会=

全体会では、ビクトリア州教育大臣次官や在メルボルン日本国総領事から温かい歓迎のご挨拶をいただいたあと、AEUからビクトリア州の教育や現状についての話を聞きました。

分散会では、「それぞれの国が抱える教育課題について」をテーマに、訪問したオーストラリアの学校の状況と自分の学校のとりくみを比較しながら、意見交換をしました。両国における子どもたちの学力、授業形態、教職員の働き方など多くの点について、時間いっぱいまで熱心な協議が続きました。

団員の感想

  • 「learning how to learn」の言葉の通り、学び方を教えることを大切にしていて、子どもの自主性につながっていると感じた。
  • 日本の学校とは異なる授業形態や学習環境が、子どもたちの好奇心や学力、自治力などにつながっていると感じた。
  • AEU教職員の「自分を大切にできなければ、子どもは大切にできない」という言葉を聞いて、がむしゃらに仕事をこなすだけで、自分や子どもを大切にしようという気持ちの余裕がもてていないと気付かされた。
  • 広い視野をもち、子どもたちに広い世界を伝えていきたいと思った。
  • ホストファミリーとのコミュニケーションは英語力や文法ではなく、素直に気持ちを表現した方が喜んでくれた。
  • 国は違っても、子どもの成長を思う気持ちや教育に対する考え方は共通だと感じることができた。