第2030号2018年6月10日
第105回静教組定期大会 評価結果の活用は育成・職場の活性化の観点から

5月24日(木)、第105回静教組定期大会が静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催され、2018年度の運動方針・予算などが承認されました。大会には日教組より梶原 貴書記次長、小山 悟中央執行委員が出席したほか、来賓として連合静岡の中西清文会長、県P連の今井 亘会長、県政連の佐野愛子県議会議員など26人が登壇しました。各単組・支部からは代議員197人(内女性73人、女性参画率37%)が出席しました。2018年度運動方針に関する質疑・討論では、数多くの質疑や意見が出され、真摯な議論が交わされました。

大会の冒頭、鈴木委員長は、静教組が昨年の結成70周年を機に、運動の歴史を振り返り、組織のあり方を見つめ直す機会を得て、「県全体が一体感のある運動をすすめることが組織としての発信力・提言力につなげるための重要な基盤であることを改めて確認できた」と述べました。2018年度も複線型勤務条件交渉に対する一体的なとりくみの継続・充実、次期学習指導要領への移行に伴う課題への対応、長時間労働と多忙な勤務実態の改善等にとりくむことを述べ、その上で、重要課題である教職員人事評価の結果活用に関する交渉課題について以下のように見解を示しました。

中央執行委員長あいさつ(要旨)

鈴木伸昭
中央執行委員長

地方公務員法が改正され、2016年4月から評価結果を任用・給与等に反映することが義務付けられました。法で定められた上に、全国的には法改正を待たずに多くの都府県や政令市で給与への反映がすすめられており、静教組としても避けられない課題であると判断し、現実的な対応を図る方針を固めました。単なる反対の主張に止まっていれば、労使協議なしに一方的に制度が導入されても反論できません。こうした経緯を踏まえ、2017年秋の確定交渉の中で、評価結果を2019年12月期の勤勉手当から反映させることについて県教委から提案があり、この事を了とし妥結をしました。評価結果の反映方法が今年度前半の重要な交渉課題であり、その交渉をすすめるにあたっての重要な2点について触れておきます。

一点目は、評価制度に対する理解と信頼を高める意味で、評価結果の開示は不可欠であるということです。評価結果の開示は、評価結果に対する納得性を高める機能と恣意的な評価に対する歯止めとしての機能があります。評価者が真剣な姿勢で評価しているかは、開示に対する姿勢で測ることができます。評価制度が機能するための重要な要素の一つが評価者の評価能力と姿勢であり、制度及び評価者に対する信頼を高めるには避けて通れないものと考えます。殊、評価結果を給与に反映するとなると、評価者と被評価者との間の信頼関係、制度そのものへの理解と信頼をどう高めるかが重要な鍵となります。

二点目は、勤勉手当への反映にあたって、財源となる部分を制度の目的に沿って配分できるような運用指針を定める必要があるということです。評価結果に基づいて配分する財源は限られており、その財源を評価者の主観で配分したり、被評価者が互いに奪い合ったりするような形になることは、必ずしも働くモチベーションにつながるとは限りません。教育活動の成果は一人の努力だけで達成できるものではないという考え方のもと、配分は関わったすべての教職員が共有することが望ましいという考え方に立つべきです。勤勉手当への上乗せ分支給対象者が常に同じ教職員に偏るという状況や、逆に上乗せ分の支給対象にいつまでもならない教職員が多数いるという状況が生じたとするならば、その職場は良い状況にあるとは言いにくいのではないでしょうか。また、仮に継続して上乗せ分の支給対象にならない教職員がいたとすれば、それは本人の責任のみに押し付けず、管理職の指導力の責任として、また、互いに支え合うべき職場全体の問題としても捉える必要があります。一人一人の教職員が様々な活躍の機会を得て、周囲との協力・協働関係に基づいて力を発揮し、成果を残すような職場にしていかなければなりません。そうした育成の観点、職場の活性化の観点から制度運用することを基本とするべきです。その考え方に立った運用指針が必要と考えます。

静教組定期大会の大会宣言はこちらからご覧いただけます。