
第2123号2022年6月10日
今こそ日本国憲法を学ぼう 〜平和の構築に向けて光が見えてくる〜
現在、国会では憲法審査会で「緊急事態条項創設」や「第9条の改正」等が議論されています。この議論の先には「自由を確保するための立憲主義」という国家の統治のあり方や「戦争の放棄」という平和を構築するための手段に影響がでることも考えられることから、慎重な議論が求められます。
静教組は、5月7日(土)に憲法理念の理解を深めるために、木村草太さんを講師に招き、憲法学習会を開催しました。日本国憲法には、どのように平和を構築していくことが示されているのでしょうか。組合員一人一人が当事者として改憲の動きに注視し、憲法について意見交換をしましょう。
わかりやすく解説!! 日本国憲法
〜憲法学者 木村草太さん(東京都立大学法学部教授)が講演〜
『憲法は、私たち一人一人のよりよい生のために、人権を守り、権力をコントロールしています。憲法は日々を生きる私たちの味方です。しかし、私たちがそれをうまく使いこなさなければ、憲法を生かすことができません。憲法は「よりよい社会にしたい」という国民一人一人の希望から形作られるものです。そうした希望を実現するために、憲法をより身近なものと感じて、憲法に関心をもち、一人一人が憲法を「使いこなす」という想いをもっていただけたらと思います。』
※ 著書「憲法という希望」から抜粋
参加者の感想を紹介
- 憲法の意義について、その成り立ちや国際法との関係で示していただき大変わかりやすかったです。現在、関心の高いロシア情勢や学級を例としたお話によりイメージをつかむことができました。
- 当たり前のように行使している権利も憲法があってこそと考えるともっと憲法を意識し、大切にしていかなければならないと思いました。
- 自衛隊のことやウクライナのことなど、ニュースで聞いたことを憲法という視点で詳しくお話しいただけてとても勉強になりました。
- 9条を生かすには、9条の支えとなる条項も必要であり、「9条でないから」と安易に改憲を考えるのは危険であると考えさせられました。
- 憲法改正について議論がなされていますが、憲法の基本理念から大きく外れないように注視していかなければならないのではないかと考える機会になりました。
- 憲法9条の理解の前に国際法の理解から始めるべきという考えは初めてで、お話を聴いてすごく納得しました。
- 憲法や法律を1つ1つ別々に扱うのではなく、立体的に関連付けて理解することが大切だと学ぶことができました。
- 憲法がなぜあるのか、どう書かれているのか、なぜ書かれているのかを知ること、考えることが大切とわかりました。
1.立憲主義と憲法
「貼り紙」は、過去に困ったことや事故等が起こったことから、注意喚起のために貼られます。
国家権力の三大失敗である「戦争」「人権侵害」「独裁」について憲法の中に「貼り紙」をしています
立憲主義
「過去に権力側がしでかした失敗を憲法で禁止することによって、過去の過ちを繰り返さないようにしよう」という原理
過去の国家権力の失敗を基に作成した「貼り紙」
コントロールする
独裁を許さない
主催者である日本国民の多くが賛成しないと憲法は変えてはいけない。
第九章 改正
公務員は、人権を保障する最高法規としての憲法を擁護する義務を負う。
第十章 最高法規
国家が失敗を繰り返さないように憲法で規定しています。
2.日本国憲法の章立て
第一章 天皇
=国民主権を規定=
第二章 戦争の放棄
=軍隊と戦争のコントロール=
第三章 国民の権利及び義務
=国民の人権保障=
第四章 国会
第五章 内閣
第六章 司法
第七章 財政
第八章 地方自治
=権力を分立し、独裁を許さない=
第九章 改正
=多くの国民の賛成=
第十章 最高法規
=国家の憲法違反の禁止=
3.日本国憲法の成立のプロセス
日本国憲法は、基本的人権の尊重の確立と民主主義の復活強化のためにつくられました。
4.そもそも人権とは何か
人間が人間であるという理由だけで保障される権利
- 自由権
- 社会権
- 参政権
- 平等権
5.自衛隊と憲法9条
平和や武力行使を考える出発点は、
(2015年安全法制改正後)
を理解すること。
第26回参議院議員選挙の争点のひとつは≪憲法の改正≫です。
平和憲法の理念を守るために投票へ行きましょう!!
