9月10日(火)に、第60次静教組養護教員部研究集会(静養研)が行われ、県内養護教員と単組・支部代表者あわせて約90人が参加しています
司会:大澤 副部長(浜松教組)
開会の言葉:杉山 常任委員(静清教組)
はじめに、赤池 静教組中央執行委員長から挨拶を行いました
静教組養護教員部の尽力により、静養研が第60次を迎えたこと
不登校対策としてのフリースクールについて
今年度も養護教員複数配置基準の引下げを求めること
教育新聞記事“「性別に関係なく、やりたいことができる社会に」ある男性養護教諭の挑戦”より
「安全衛生体制の確立は養護教員の仕事」という風潮への危機感、組織的対応の必要性
また来賓として、古賀ちかげ 参議院議員がお見えになり、ご挨拶をいただきました
養護教員からの声掛けが、子どもにとっての安心感につながっている
文科省概算要求に養護教員の業務支援の必要性が示されているが、きちんと通るよう、とりくんでいかなければならない
「フッ素洗口、塗布は、学校でしなければならないのか」「てんかん発作時の口腔用液を、救急救命士が打ってはいけないのに養護教員が打っていいのか」など、国会で質問したこと
今後も、養護教員の複数配置基準の引下げや再任用短時間勤務の制度化を求めていく
続いて井熊 副部長(三島支部)より、基調提案を行いました
子どもをとりまく現状…県内の不登校の状況、子どもを性被害から守る法律案の成立、熱中症対策
学校保健をとりまく現状…法律で定められていない健康診断の実施、学校における医療の参入、養護教員の配置、養護教員の標準的な職務
全体会終了後、午前、午後と4つのテーマに分かれ、分科会を実施しています
第1分科会「子どもたちをとりまく問題」
第2分科会「集団フッ化物洗口・塗布の課題の共有」~子どもたちの健康を守るために~
第3分科会「性教育・性の多様性へのとりくみ」~健康教育~
第4分科会「養護教員の標準的職務について考える」
各分科会会場で昼食をとるなかで、笑顔が多く見られ、午後の分科会ではさらに話がはずんでいました
ふたたび全体会に戻り、鎌塚優子 静岡大学教授より、「これからの時代を生き抜くために必要とされる養護教員の専門性・魅力とは」という演題でご講演いただきました
養護教諭が子どものためにどんな存在であったか、その子の人生にとって重要な土台の一部であった可能性があるのを忘れないでいたい
教員育成指標が示されたことで、養護教諭に求められるキャリアステージごとの資質能力が明確化された…初任者から一人で分掌を任されるが、その“職務・役割範囲”や“重圧”が周囲には認識されていない
不易と流行(変えてはいけない「養護」は何か、時代の変化にあわせる「養護」は何か)…保健室を見れば、今何が必要かがわかる
児童生徒の多くは、心の悩みが体に影響していることに気づいていない(心身相関)…心から体、体から心をみていくのが養護教諭
養護教諭は、弱みを掘り下げるのではなく、子どもの強みを気づかせて、繰り返しながら強みを強化し、自立を促す
ささいなこと、大したことがないことと思うことを、点ではなく線でみることで重大なトラブルに気づくことがある…多くの子どもたちとともに過ごしているからこそ、研ぎ澄まされる感性は強み
不登校、自死、ヤングケアラー、児童虐待、オーバードーズ…問題の本質をとらえる必要性
チーム学校をすすめる中で、多職種連携に課題がある…専門性・役割の理解、専門性に対するリスペクト、お互いの守備範囲の明確化、共通理解できる言葉の使用
予測不可能な時代に、いかに迅速に組織を動かすことができるか
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)がすべての決定(誤った判断)に影響することに気づくことが大切
鎌塚先生は養護教員としての経験をもとに話をされており、参加者はうなずきながら聞き入ったり、メモをとったりしながら、あっという間に1時間以上が経過していました
講師へのお礼:帯金 常任委員(沼津支部)
開会の言葉:杉山 常任委員(静清教組)
今回の研究集会を通して、他地区の仲間と交流しながら互いの思いを伝えあうこと、自身がやってきた実践や悩みに対して価値づけされる講演など、新たな発見が多くった1日となりました
静教組は、養護教員部をはじめとする専門部の力量向上に今後もとりくんでまいります