第2118号2022年3月25日
平和・人権・環境・共生、そして民主主義が尊重される社会の実現をめざして
第221回静教組中央委員会 開催

3月4日(金)、静岡県教育会館において第221回静教組中央委員会が開催され、14単組・支部から49人が中央委員として出席しました。今年度も、新型コロナウイルス感染症への対応措置として、専従役員を中心とする会場参加と各教育会館からのオンライン参加というハイブリッド型により開催されました。

議事においては、2021年度静教組運動総括に関する提案(詳細は2月17日付で発行)、2021年度一般会計や2022年度暫定予算案等に関する質疑・討論が行われ、すべて執行部提案の通り承認されました。

赤池浩章中央執行委員長 あいさつ<要旨>

赤池浩章

静教組 中央執行委員長

国内において新型コロナウイルス感染症が確認されてから2年が経過しました。人々は、ワクチン接種の普及と治療薬の開発により日常を取り戻すことができると信じ、政府の対策に協力し、我慢の生活を続けています。それは、子どもたちも同様であり、学校生活の楽しさを十分に味わうことができず、物足りなさを感じていることと思います。このような状況の中、教職員は、感染対策を講じながらの教育活動を継続させるとともに、できる限りの活動をさせてあげたいという思いから、学校行事やカリキュラムの変更、活動方法の工夫など、マニュアルのない対応が続いています。感染症収束の兆しが見えない中での業務により、若年層を中心に心身に不調を来している方が多いことと拝察されます。静教組は引き続き、教職員の命と健康を守るとりくみを教育関係者と連携してすすめていきます。

ウクライナのNATO加盟に端を発したロシアの軍事侵攻が現実のものとなり、冷戦終結以降、危ういながらもバランスを保ってきた国際関係は、極めて危機的な状況であると言わざるを得ません。資本主義はもはや世界経済を支配しており、この流れに抗うことは不可能といえますが、軍事的なバランスまで侵害されることは看過できないとロシアのプーチン大統領は考えたのではないでしょうか。それは、まさにロシアにとっての「正義」であり、過去に幾度となく繰り返されてきた戦争を正当化する理由です。一方、アメリカやEUがロシアの軍事侵攻を放置すれば、中国・ロシア中心の専制的・独裁的な政治に国際社会は支配され、民主主義の危機を迎えることが危惧されます。世界はもはや冷戦状態に戻ったというより、開戦前夜の状態であるといえます。ロシア、アメリカ、EUを含めたすべての関係国が「戦争だけは絶対に選択しない」ということを前提として、外交による解決を図るべきと考えます。

20世紀に日本は多くの尊い命を失い、深い悲しみの中で、戦争が如何に愚かな行為であるかを学び、現在に至っています。しかし、世界では紛争や戦争が絶えることなく続いており、国連は平和維持活動の名のもとに軍事行動を続けています。そして、日本においても「領土と国民の生命・財産を守る」ために憲法を改めるべきとする政治勢力が大勢を占める状況となっています。岸田首相は、今国会の所信表明において「憲法改正」に向け、国会議論の活発化と国民の理解を深める必要性について言及しており、7月の参院選後に改憲の動きが加速する可能性は極めて高いといえます。2012年に自民党が公表した「憲法改正草案」には、国防軍の創設や緊急事態条項など、有事を想定した条文が盛り込まれています。どんなに高いハードルを設けても「戦争に参加することを可能とする」よう憲法を変えれば、いつか必ず悲劇を繰り返すことになります。したがって、私たち静教組は、7月の参院選において推薦候補者“古賀ちかげ”さんの勝利を果たさなければなりません。コロナ禍の中で、古賀さんが組合員のみなさんと直接会う機会が少ないため、難しいとりくみとなりますが、よろしくお願いいたします。

さらに、私たち教職員には継続して大切にすべきとりくみがあると考えます。それは、平和・人権・環境・共生、そして民主主義が尊重される社会の実現をめざして、憲法理念を生かした教育実践をすすめることです。真の民意に基づいた政治は、社会を構築する力となります。私たち教職員にはそれを支える役割があることをみなさんと共有したいと考えます。