第2065号2019年11月25日
執行委員コラム 他人事≒自分事(たにんごと ニアリーイコール じぶんごと)

先日の教育研究静岡県集会では「他人事≒自分事」と題する講演の中で、自他の違いを認めつつ関わり合い、社会の矛盾と向き合う経験を重ねながら相互変容していくことを通じて社会をよりよく変えていくことが必要であるという話がありました。

昨今、自分事ですら、どこか他人事のような感覚でいる人が多くなっている気がします。例えば、自分の労働環境や労働条件といったものもどこか諦めていたり、社会のせいにしていたりします。それらを変えてくれるはずの政治に無関心になっているのも同じあらわれでしょう。ましてや、自分の身近にない戦争や貧困といったことであれば、より他人事になっています。「自分一人が何かやっても変わらない」「他に選択肢がなかった」、確かにその通りかもしれません。けれども、なぜ、そうなってしまうのかに疑問をもつことが大事なのだと思います。そして、そうした疑問を自分事としてみんなが共有課題として捉えていくことが大事なのです。

私たちは教職員として、自ら問題意識をもち、対話を重ね、選択していける子どもたちを育てていかなければいけません。また、労働組合として社会の矛盾を少しでも改善していく必要があります。そうした意味で、私たち教職員組合の果たすべき役割はまだまだ大きいものがあります。これからも「当事者意識」と「問題意識」を大事にして、「他人事≒自分事」で組合活動をすすめていきたいと思います。

(浜松市教職員組合 執行委員長 櫻井伸夫)