食品ロスをなくすために
熱海市立多賀小学校 6年 米山 依舞

 みなさんは食べ物を大切にできているだろうか。
 お盆の時、私は祖母の家に遊びに行った。そこには、親せきの人たちが多くいて、私の好きな食べ物もたくさんあり、とても楽しかった。食事が終わり片付けを手伝っていた時に、祖母が残った食べ物を来てくれたみんなに分けようとタッパーにつめていた。それを見て私は祖母に
「残った物はゴミに捨てるんじゃないの。」
と聞いた。すると、祖母は
「食べ物はそまつにしてはいけないんだよ。昔は米粒一つでも無駄にはしなかったんだよ。」
と話してくれた。その話を聞いて今までの私の食生活を振り返るとはずかしいものだと感じたと同時に、そこまで考える必要があるのかと思った。私は疑問に思ったことをすぐに解決したい性格なので、祖母に何でそこまで食べ物を大切にしなくてはいけないのかを聞いてみることにした。
 すると祖母は「食品ロス」とは食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、日本では年間約六百万トンも捨てられて、ごみとして出されているということだ。私は、夕方にスーパーに行くと、そう菜などの食品が割引して売られているので捨てているほとんどは食料品をあつかうスーパーだと思っていた。それが、家庭からもそんなに捨てているという事実を知ってびっくりした。
 では、この食品ロスを家庭で防ぐにはどうしたらいいのか私の家庭の様子をみながら考えてみることにした。私の家では、母が買い物に行く前に必ず冷蔵庫を見て、今日は何を買う必要があるのかを調べてから出かけている。これも食品ロスを防ぐには良い方法だと考える。また、肉など賞味期限が切れそうになると冷凍庫に移しておけば期限が過ぎても火を通して調理すれば大丈夫である。私はウインナーが大好きなのだが、母は調理する前一人何個食べられるかについて聞くのが習慣になっている。これは、友達にもはずかしくて言えないことだと思っていたのだが、食品ロスを考えたら良いことだと感じることができた。
 日本だけでなく、世界に目を向けると年間約十三億トンも捨ててしまっている。その一方で、七人に一人の子供が貧困で食事に困っている状況にある。私たち一人一人が食べ物をもっと大切にしていかなければいけないのだ。
 食品ロスは私たち家庭やスーパーだけの問題ではなく農産物や果物などを生産する生産者にも大きく関係することだと考える。私の近所の夏みかんを栽培している方が話してくれたことだが、たくさん収穫しているにもかかわらず、売れ残ってしまうということだった。確かに、買う側の私たちからすれば食べたい分だけを買えばいいことだが、生産する側からすると売れなければ結局捨ててしまうことになってしまう。この問題はどのように解決できるのかということについて周りの人に相談しながら考えてみた。
 その中で私が良いなと感じたのは「新商品開発」だ。ある町では小さい魚で売れないものをミンチにして販売しているそうだ。それが学校の給食メニューにもなっている。解決には必要なことだ。こうした「新商品開発」を地元の私たちなど若い世代も一緒に考えて取り組んでいくことも大切なことではないだろうか。
 食品ロスをなくすために私たちは、もう一度食生活を見直すとともに、生産者のことも考えられる広い視野をもって取り組んでいかなければいけないのだと思う。

「食品ロス」は世界的な大きな問題ですが、依舞さんはおばあさんの家に行った時の話題から、しっかり自分事として捉えています。そこで「本当にそこまで考える必要があるのか」と問うているのが良いです。あらためて考えた家庭での取組から大切なことに気付き、生産者の視点も取り入れて主張していることに感心しました。