あいさつと思いやりの意味
下田市立稲生沢小学校 6年 土屋 愛莉

 みなさんは毎日、明るく元気なあいさつをしていますか?あいさつは、人と人とのつながりを広げるための第一歩です。私の学校では、(あ)あかるく、(い)いつでも、(さ)さきに、(つ)つづけよう、という合言葉をつくり、あいさつ運動を行っています。また、学校内でのあいさつチェックとして、あいさつ係が、一日あいさつをしっかりできていたか確認するなど、学校全体で取り組んでいます。このことにより、あいさつにていこうがあった人や、一部の人にしかあいさつしなかった人も、いろいろな人に積極的にあいさつができるようになり、以前より、明るく楽しい学校生活が送れるようになったと感じています。しかし、残念なこともありました。私はこれまで、あいさつをたくさんしてきましたが、一度だけ、あいさつをかえしてくれない人がいました。その時、あいさつだけでは人と人とのつながりは、広がらないのではないか、と悩んだことがあります。ふり返ってみると、あいさつをされたらあいさつをかえすという、受け身のあいさつになっていました。そんな思いを断ち切るように、私に積極的にあいさつをしてくれた人がいました。それは、学校の先生や、地いきの人たちです。あいさつすることにまよっていた時など、先にやさしく「こんにちは」とあいさつしてくれました。そのあいさつの言葉を聞くと、今までにない感情がこみ上げてきたのです。「ホッ」とするような、まわりの空気をあたたかくつつみこんでくれるような感覚だったことを覚えています。
 あいさつは、人に対する「思いやり」の気持ちがふくまれています。
「おはようございます。」
「こんにちは。」
「こんばんは。」
「さようなら。」
「ありがとうございました。」
「ごめんなさい。」
「お願いします。」
など、私達は、たくさんのあいさつの言葉を使っています。目や耳が不自由な方でも、点字や手話で、だれかとあいさつをします。あいさつが出来るか出来ないかで、物事が大きく変わることもあります。あいさつがきっかけで、人と人とのえんが結ばれることもあります。たった一言のあいさつだけれど、とっても大きな意味があると思うのです。
 つい先日も、そのような事を考えて登校した時でした。先生が「おはようございます。」と元気な声であいさつしてくれました。何とも言えない感情が、私の心の中に広がり、「これは、あいさつを無視された時と正反対の感情だ。」と気付きました。私たちが、ニュースでよく聞く、犯罪や非行は、相手を思いやる「あいさつ」をすることによって、犯罪などをおかす人の心を、一歩ふみとどまらせることができるかもしれません。でも、私一人では、社会全体の人の心を動かすことは、困難なのです。私たちにできることは、まず、学校や地域の人たちに、心をこめたあいさつをして、明るい地域、明るい社会になるように、思いやりの心をもってあいさつを実行していくことだと思います。
 あいさつは、「心をつなぐキャッチボール」と先生から聞いたことがあります。朝、「おはようございます。」と気持ちのよいあいさつの言葉の中には、「相手を敬う気持ち」、「ねぎらう気持ち」、「感しゃする気持ち」など、たくさんの「心」がこめられていて、あいさつをした人も、気分がスッキリして、元気でいっぱいになります。これ以外にも、心をこめたあいさつには、「相手の立場、状況に対する思いやり」や、「いっしょに仲良くがんばろう」という気持ちがふくまれています。
 また、私たちの日常生活において、「あいさつ」とは、思いやりの気持ちを伝え、人と人とをつなぐ、大切なツールにもなり得ます。私にとってのあいさつは、元気を分けあたえられる、ま法の言葉です。人を思いやる言葉であるとも思います。相手の気持ちを大切にしてあいさつをすると、おたがいにやさしくなれます。これからも、学校や地域、いろいろなところで、相手にほっこりとした温かい感情をあたえられるような、心をこめたあいさつができるよう、心がけていきたいと思います。

あいさつがいかにすばらしいものであるのかを伝えたい、という強い思いが溢れています。たった一声のあいさつで、心が温かくなったり、人と人とがつながったりするあいさつは、まさに「魔法の言葉」だと思いますよ。新型コロナにより人とのつながりを考えさせられる今こそ、あいさつを大切にして生活したいですね。