不幸な犬や猫を救うために
掛川市立倉真小学校 6年 内田 汐南

 みなさんは、不要犬という言葉を知っていますか。私は、不要犬と呼ばれていた犬『タップ』の飼い主でした。タップは、ペットショップで買った犬ではありません。繁殖(はんしょく)犬といってペットショップに売る犬をくり返し産ませるための犬でした。
 七才になったタップは、その役割ができなくなり、里親を探していました。母が新聞の記事で見つけ、家族で相談し飼うことになりました。タップが家に来た時、歯はぼろぼろで毛はぼさぼさでふるえていました。だっこをすると、すごくこわがり背中を丸めてしまいました。体はとてもがりがりで、やせ細り、声帯は取られ、声も出ませんでした。散歩に連れていこうとすると、こわがって動きません。今まで散歩に行ったことがなかったのかもしれません。それでも家に来てから、だんだん慣れて散歩へ行けるようになりました。そして、タップが来てから亡くなるまでの七年間を一緒に過ごしました。
 私は、タップに出会ってから動物の殺処分のことや、ペットショップの裏側には不幸な犬や猫がいることを知り、とても辛くなりました。最初はくわしく知ることがこわく、またその現実を受け入れたくありませんでした。しかし、不幸な犬や猫を一匹でも減らしていくためには、私自身がくわしく知り、そしてみんなに知ってもらいたいと思いました。
 日本では、一年に約五万六千匹の犬や猫が殺処分されています。一日あたり百五十三匹の犬や猫が灰になっています。なぜ、こんなにも犬や猫は殺されなければならないのでしょうか。それは、「引っ越しで飼えなくなってしまったから」「年寄りで、病気になったからいらなくなった」などという、人間の勝手な理由から、家族だったはずの犬や猫たちを保健所に捨てる人たちが後をたたないからです。保健所に預けられた犬や猫は、引き取られた日から命のカウントダウンが始まります。一日経過するごとに、おりを移されていき、最終日の部屋ではガスがまかれ、殺処分されていきます。そして、もう一つの問題は、お金もうけ優先のペット業者がたくさんいるということです。一年に何度も子どもを産まされて、その子どもたちは売られていきます。子どもが産めなくなった母犬や母猫は不要とされて、捨てられてしまうのです。タップも、その一匹だったのです。そこで、このような犬や猫を助けるために、私たちにできることを考えました。
 もし、これから犬や猫を飼おうと思っている人がいたら、ペットショップに行く前に保護施設で開かれる譲渡会(じょうとかい)へ行ってほしいです。飼えると思っても、一生家族として大切にできるかを考えてから飼う決断をしてほしいです。また、飼わなくても積極的に何かしたいと思っている人がいたら、ボランティアや寄付・チャリティで応援する方法があります。ボランティアとは、保護団体でケージの掃除や食事準備、散歩などのお世話をすることです。えさやトイレシーツなどの物資を寄付することも応援の一つです。現在飼い主の場合には、捨てないこと、迷子にしないこと、飼えないのに繁殖させないこと、しつけをすることなどが大事です。飼い主の方が気をつけることによっても減っていくと思います。
 また、私は人と動物がふれあえる里親カフェがあるといいと思いました。里親カフェでは、たくさんの人に気軽に足を運んでもらい、不要とされていた犬や猫を多く保護できるかもしれません。そして訪れた人に不幸な犬や猫について知ってもらいたいです。それをきっかけに里親になる人が増えてほしいです。
 最後に、私も去年新たに里親になりました。うまれつき足のけがをしているトイプードルです。そのトイプードルも不要犬と言われていましたが、今では不要犬ではありません。わが家の大切な家族です。

不要犬とされていたワンちゃんを引き取り、大切な家族として過ごした体験をもとにした、命の大切さを訴える良い作品です。ペットビジネスや業界への警鐘(けいしょう)も掲げられており、動物たちの命を守ることへの優しさだけではない頼もしさ、意志の強さも伝わってきます。