祖父のデイサービス
島田市立六合小学校 5年 築地 桜誉

 最近、祖父の様子がおかしい。ぼくもそう感じていた。祖父はぼくの家のとなりに住んでいる。何年か前までは車いすの祖母のかい護をしていたが、祖母が亡くなり、外出も減った。時々ぼくの家に、
「母さんいるか。」
とやってくる。すると母はおくから急いでやってきてそのまま祖父の家に行ったり話したりしている。祖父の話の内容は、お米がなくなったとか、テレビが見られなくなったとか、死んだ祖母がどこまで買い物に行ったんだとかいうこともある。いつもにこにこしてあまり話さない祖父なのに、すごく困った様子なので、いつもとちがう祖父を大丈夫かなと思ってしまった。
 朝八時ごろ母は祖父の家に行く。
「今日はデイサービスの日だよ。」
と言うと祖父は気むずかしそうな顔で、
「どこに行くのだ。」
と言う。母は、
「これに着がえておいてね。」
と言って一度家に帰る。なぜ帰るのか聞くとそでにうでを通したりズボンをはいたりするのに時間がかかり、見ていると手伝いたくなる、でもまだ自分で出来ることはやってほしいから見ないふりをして帰るそうだ。
「それに着替えているところを見られているの、いやでしょう。」
と言っていた。お年寄りだからといって何でも助けてあげればいいのではないと思った。いつもは出来るから手伝わないことでも、あまり行く気になっていない時は少し手伝いを多めにしてあげることもあった。
 いつも同じではないので難しいとも思った。母が、
「そろそろおむかえが来るよ。」
と言うと、
「何、今日は出かけるのか。」
と言うことがあるそうだ。これはあまり気が進まないというアピールだそうだ。本当にわすれている時はさみしそうな弱々しそうな感じになる。ずっと不機げんそうな顔をしていてもおむかえの人が明るい声であいさつをしてやってくると、祖父は急ににこやかになりしっかりあいさつを返している。
「大丈夫よ。おいしいご飯を食べて、お風呂に入って、いい所よ。心配しないで。」
と送げい車の中からぼくたちに毎週同じことを話しかけてくれるおばあさんがいる。そのおばあさんにそう話しかけられると、祖父がみんなに迷わくをかけていないかと心配な気持ちを見すかされているのではないかと思う。すでに祖父は笑顔で会話をして、みんなに手をふって出発していった。祖父にも今日が終わったと感じるだけの生活ではなく、明日を楽しみにする生活を送ってもらいたいと思う。
 最近は祖父に会ってもあいさつしかしていなかった。夏休みに祖父がデイサービスに出かけるのを見送って、他の人ともあんなに話をすることを知った。ぼくがもっと祖父の所に行って、学校の出来事などをたくさん話したら、喜んでくれるのではないかと思う。

おじいさんに接することで感じている桜誉さんの思いがよく伝わってきます。デイサービスに出かける時に発見したおじいさんの見たことのない姿から、今後どの様に接していけばよいかを見出した桜誉さんの姿勢はとても立派です。おじいさんにたくさん話をしてあげてくださいね。